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若者から「仕事・就業」の場に選ばれる地域を目指して

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Ⅱ.山形県内大学生の「仕事・就業」に関する意識調査の結果(概要)

<調査方法>
山形大学及び東北公益文科大学に在学する学生を対象に、アンケート調査及びインタビュー調査を実施

【山形大学】

〔アンケート〕学部4年生及び大学院生 計140名(男性73,女性67 / 県内出身43,県外出身97 / 文系66,理系74)
〔インタビュー〕3年生及び就職内定者(4年生、大学院生) 計11名

【東北公益文科大学】

〔アンケート〕学部4年生 計145名(男性79,女性66 / 県内出身91,県外出身54 )
〔インタビュー〕就職内定者(4年生) 計6名

<調査時期>
2020年7月~2021年3月 

<実施機関>
株式会社フィデア情報総研(山形県委託)

調査結果(概要)は、「山形県総合政策審議会(令和3年7月30日)資料」において公表されており、以下のⅡ-1~5は、当該資料に基づくものである(参照:当レポート末尾【参考文献・資料】)。

Ⅱ-1.山形県内企業への就職についての検討状況

Q.就職活動にあたり「山形県内」の企業への就職を検討しましたか。その理由もお聞かせください。

  • 山形県内企業を選択肢に入れて就職を検討した人の割合※2は、山形大学で約5割、東北公益文科大学で約7割であった(図表5)。出身別には、県内出身者は、県外出身者に比べ、県内志向が強い傾向がみられた。また、東北出身者からは、山形も含めた東北全体への志向もうかがえた。
  • 検討理由として、「県内企業のみ検討」では、地元(山形)への馴染み・愛着や、地域貢献を挙げた人が多かった(県内出身者)。また、「県内企業・県外企業とも検討」では、「山形の企業の選択肢が少ない」、「県外に一度出て視野を広げたい」(以上、県内出身者)、「インターンシップ等で山形に馴染み」、「企業説明会で県内企業に関心」(以上、県外出身者)等を挙げている。
※2

「県内企業のみ検討」と「県内企業・県外企業とも検討」した人を合算したもの。

  • これと関連して、インタビューでも、インターンシップや企業説明会等が、県内企業を就職先として検討するきっかけとなっていることを評価する声があった。
図表5 県内企業・県外企業の検討状況

(資料)山形県「総合政策審議会(令和3年7月30日)資料」
(注)小数点の四捨五入や「無回答」がある場合の記載の省略により、選択肢の合計が100%にならないことがある。

Ⅱ-2.仕事内容や企業を選ぶ際のポイント

Q.仕事や企業を選ぶ際に、軸に据えて考えていることを教えてください。

  • 「自分のやりたい仕事」、「働きがいがある」、「自分の能力・専門を活かせる」といった“仕事の内容・質”を基本に、福利厚生、休暇制度、社風なども考慮に入れる傾向がみられた。「給料が良い」を選んだ人はさほど多くなかった(図表6)。
  • 大学の専攻別では、「自分の能力・専門を活かせる」は、理系で選んだ学生が多かった。
  • 属性別では、女性は、男性より、福利厚生など勤務条件や、社風・社内の雰囲気等を重視する傾向がみられた。
  • これと関連して、インタビューでは、社員のチームワーク・協調性や、相談・話しやすい雰囲気、新しいチャレンジを後押する前向きな社風などを評価する声があった。
図表6 仕事・企業を選ぶ際に軸に据えて考えたこと(3つまで回答可)

(資料)山形県「総合政策審議会(令和3年7月30日)資料」よりフィデア情報総研作成

Ⅱ-3.就職活動において必要とする情報

Q.就職活動でもっと知りたかったことをお聞かせください。

  • 「実際に働いている社員の声や様子」が最も多く、これに福利厚生、社風が続いている(図表7)。
  • 自由記述・インタビューでは、「県内では製造業系の企業が多く、特に、文系が興味を持つ仕事・職種が少ないイメージがある」、「仕事・企業の選択の軸となる“専門性・やりがい”などの明確な情報が学生に十分に届いてない」、「福利厚生については、企業側からの情報が少なく、積極的に出してほしい」といった意見があった。
図表7 就職活動でもっと知りたかったこと(3つまで回答可)

(資料)山形県「総合政策審議会(令和3年7月30日)資料」よりフィデア情報総研作成

Ⅱ-4.志望する職種

Q.就職活動中に志望する職種を教えてください。山形県内での就業拡大・若者定着のためには、どのような職種、業種の拡大が必要と思いますか。

  • 山形大学では、営業販売部門、総務・経理・人事などの管理部門、製造技術・生産管理部門、研究・開発部門の4職種が多く、東北公益文科大学では、営業販売部門と総務・経理・人事などの管理部門の2職種が多かった(図表8)。文系・理系の別や専攻などが、志望する職種に反映される傾向にある。
  • 自由記述・インタビューでは、今後採用の拡大が必要と考えられる具体的な業種として、両大学とも、IT系、情報通信系が多く挙げられた。文系・理系の別でみると、文系では、デザイン、コンサルティング、人材、広告、観光業などが多かった。理系では、大学の研究分野と密接に関わる研究開発職等を求める意見が多かった。
  • 女性からは、「文系学生の事務系の仕事が見えづらい」、「事務職系の仕事の幅を広げ増やしていけば県内就業につながる」との意見もあった。
図表8 志望する職種(複数回答可)

(資料)山形県「総合政策審議会(令和3年7月30日)資料」

Ⅱ-5.新型コロナウイルスに伴う価値観や意識の変化

Q.就職活動において、新型コロナウイルスの影響に伴う価値観や意識の変化はありましたか。変化があった場合は、具体的な内容をお聞かせください。

  • 約4割の学生が「変化があった」と回答している。
  • 変化の内容の主なものとして、自由記述では、
    ・地理的条件について、「首都圏より東北や県内への志向が強まった」
    ・企業選びに際して、「コロナ禍でも経営の持続・安定性を確保している企業」、「危機への対応力のある企業」、「テレワーク、リモートワークといった新しい働き方ができる企業」を重視するようになった
    ・就職活動では、「説明会・面接等でコロナ対策による迅速・柔軟な対応力のあった企業を評価する」などの意見があった。
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