特集

2021年度 東北6県の経済見通し

予測結果

1.東北6県の経済見通し

以上の前提条件の下で東北地域の実質GRP成長率(経済成長率)を予測すると、2021 年度は前年度比2.7%となる見込み。これは内閣府および主要調査機関による全国GDP の予測平均値を0.8%ポイント下回る結果である。また、各需要項目の予測結果は次の通り。

民間需要は、民間最終消費支出が前年度比2.9%、民間住宅投資が同1.3%、民間設備投資が同3.3%となり、全体3.0%の成長率となる見込み。公共需要は、政府最終消費支出が前年度比2.4%、公的固定資本形成が同1.7%となり、全体で2.2%となる見込み。移輸出から移輸入を差し引いた(純)移輸出は、経済成長率に対する寄与度でみてマイナス0.4%となる見込み。

2.各県の経済見通し

青森県

2021 年度の実質GRP は、前年度比2.2% となる見込み。青森県は雇用・所得環境の回復が遅れており、個人消費や住宅投資の回復は緩やかとなる。

岩手県

2021 年度の実質GRP は、前年度比2.6 % となる見込み。足元の雇用環境は改善してきており、ワクチン接種が進む年度後半から個人消費は回復する。また、輸出関連企業の業績回復を受け、設備投資も上向くなど、民需を中心に回復基調をたどる。

宮城県

2021 年度の実質GRP は、前年度比3.0% となる見込み。個人消費や住宅投資、企業の設備投資は東北の中で最も回復が顕著にみられることから、民間需要を中心に回復が鮮明となる。

秋田県

2021 年度の実質GRP は、前年度比1.8% となる見込みで、東北6県の中では最も回復ペースが遅い。個人消費や住宅投資の回復は足取りが重く、設備投資も慎重なスタンスが続く。

山形県

2021 年度の実質GRP は、前年度比3.0% となる見込み。雇用環境の回復を受けて個人消費が回復するほか、輸出関連企業の業績回復を受けて設備投資も回復する。年度後半には移輸出も下げ止まり、回復を下支えする見込み 。

福島県

2021 年度の実質GRP は、前年度比2.8% となる見込み。山形県と同様、雇用環境の回復が目立つことから、ワクチン接種が進む年度後半から個人消費の回復が見込まれる。しかし、東日本大震災の復興需要の反動減から住宅投資は前年割れが続いており、今年度も回復に向けた足取りは重い。

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